高知県 浦戸湾
アカメを求めて毎年多くのアングラーがこの地を訪れる。

遠征の方から浦戸のアカメゲームについて度々ご質問を頂くことがあります。その内容の多くはシーズナルパターンについての話。
情報を公開することがタブーとされているアカメ釣りですが、SNSが発達した現代では既に多くの情報が飛び回っていますので、
公開可能な範囲で浦戸のシーズナルパターンを記事にしました。 (2024年の記事の一部を編集して投稿)
※アカメの生態は解明されていない部分が多く、あくまでも個人的な考えになります。全ての内容が正しいというわけではありません。
四国のアカメが生息するほぼ全てのフィールドで釣りをしてきましたが、浦戸はアカメの生息数が最も多く年中安定した釣果を出せる唯一の場所になります。
四万十川を除く小規模河川や海水域でもアカメを狙って釣ることはできますが、個体数が少なく天候やベイトに左右されるので短時間の遠征では攻略が難しいと感じます。
浦戸湾は過去に比べると釣り人の増加でプレッシャーが高まりつつありますが、それでも初の一匹を手にできる確率は最も高いのではないでしょうか。
浦戸湾のアカメゲーム

アカメは日本が誇る唯一のラテス属
最大サイズは140cm40kgに達する大型の肉食魚。
メインベイトはボラ、コノシロ、大型魚類やノコギリガザミ、クルマエビ等の甲殻類
表層を回遊する70cm前後のボラの群れが突然水面を疾走すると、凄まじい爆発音と共に水柱が上がるアカメのボイル。
スプールの底が見えるまでラインを出されてフックオフしたり、100lbを超える太糸が呆気なくラインブレイクしてしまったりとアカメは巨大魚を狙うアングラーを魅了する魚です。

高知に通い始めた当時は今のようにジャイアントベイトが普及していなくシーバスルアーの釣果が大半でした。
アングラーの増加であの頃のジャイアントベイトの圧倒的な反応は過去の話になってしまいましたが、シーズナルパターンは変わらず健在します。
アカメは夏の魚というイメージが強いですが、それは泳がせ釣りの全盛期というだけでルアーでは年中狙って釣れる魚です。
初めに、浦戸湾のアカメは主に2種類 (居付き系と回遊個体)が存在します。

回遊個体はルアーへの反応が良く比較的イージー、居付き個体は餌で良く釣れる印象があります。(JGFAタグ付きアカメの多くはライブベイトで再捕されています)
海水域からの回遊個体はコンディションの良い魚が多く魅力的です!

浦戸湾には多種多様なベイトパターンが存在しますが、サイズに拘らずルアーでアカメを釣りたいのなら間違いなくコノシロパターンが一番の近道。
SNSでルアーの釣果が立て続けに上がるタイミングの多くはコノシロとリンクしています。
釣れるサイズは1m以下の小型が多いですが、連発性があるのでコノシロが入るタイミングを把握しておくと良いでしょう。(冬場のイメージが強いですが浦戸では高水温期に入ることもあります)
春のアカメ
浦戸湾に春の訪れ
3~4月の水温上昇と共に産卵期に向けて動き出すシーズン、外洋から群れが湾内に入り始めます。
産卵前の荒喰いの時期は回遊しながら積極的にベイトを追い回していることが多いです。

外洋から入りたての個体はルアーに対する反応が素直で、群れに当てられると連発することがあります。
産卵前で魚体のコンディションが非常に良く、ルアーで記録級のアカメを狙えるタイミングではないでしょうか。
4~5月は一年で最もウエイトが乗るシーズンでプリスポーンの抱卵個体を多く見かけます。
付き場所が定まらず広範囲に群れが散るので魚を探すのが難しいですが、河川の水温が高まるまでは湾側の反応が良いです。

大雨で河川から塩分濃度の低い濁りが流れ込むとベイトが固まりエリアを絞りやすくなるので、天気予報と潮回りを常にチェックしています。
この時期の河川は水田からの白濁りで生命感のない雰囲気になりますが、濁りはマイナス要素ではなくルアーで狙う上ではむしろ好条件。
アカメは水田からの白濁りや真水を嫌うと言われていますが、それは濁りが入りたての話で1週間もすると環境に適応して濁りに身を隠して捕食をするようになります。

夏のアカメ
夏場はプリの終盤、ミッドスポーンからアフターに移行する変化が激しい時期。
6月初旬までは産卵前の荒食いが継続していますが、中旬頃からミッドスポーン中には一気に喰いが落ちる期間があります。
ナイトのブラインドアプローチが極端に反応が悪くなるタイミングでは日中のシャローエリアに回遊する個体をサイトで狙うことが多くなります。
※近年の研究では産卵は外洋に出て行われると言われていますが全ての個体がそうではなく湾内の個体数が減ると感じることはありません。 (河口からの距離が13kmある国分川最上流で産まれたての稚魚を見かけることがあるので外洋産卵の真相は不明です)

6月中旬から7月に入ると湾側でペアリングしているアカメが水面に背鰭を出しながら不自然に一箇所を回っていたり、バシャバシャと尾鰭で水面を叩いているのを見掛けることがあります。
時期的にもそれが産卵行動の前兆ではないでしょうか。
夏場はサイトフィッシングやトップウォーターの全盛期、アカメの活性が高く反応を得られやすいシーズン。
積極的に大型のベイトを追い回しますが、適水温を超えると食いが渋くなったり人間的にも辛い時期になります。 高知の夏は本当に暑い..
湾内がボラで溢れ返るのでライブベイトとして投入すれば釣果も上がります。

ちなみに湾内にボラが少なく入手が難しい状況ではアカメのキャッチ率が高まり、逆にボラが溢れている時は食い渋る傾向があります
ライブベイトといってもぶつ切りにした魚のぶっ込みでも普通に釣れますし、警戒心の高い個体は泳がせよりも動きに違和感の無いぶっ込みの方が反応が良いのではないでしょうか。(クエ狙いでアジの頭をジグヘッドにちょん掛けしてボトムをズル引いてアカメを釣ったこともあります)

この年は泳がせの反応が悪くほとんどがデッドベイト。
夏場は各河川最上流の堰付近にまでアカメが上がっているのを見かけます。
そういった個体はサイトでルアーを口元でビタ止めするアプローチ、いわゆるリアクションバイトを誘発するシークレットパターンも存在しました。

河川のあちこちにある水門が開いていれば流れの下に付いていたり、餌を求めて細い水路の奥にまで上がっている個体も多いです。大型個体は少ないですが積極的に餌を探している個体は釣り易いですね!
大型を狙うなら湾内や河川のメジャーポイントがセオリー、マイクロベイトは無視して大型ベイトを追い回す個体を意識して狙っています。
明暗に付くイナッコやクルマエビ科のエビ類などの小型ベイトにボイルする個体は攻略が難しく、ライトタックルでより流れを意識した釣り方になるのでアカメメインで狙うことはありません。

8月に入ると産卵を終えた個体が出始めて魚体のコンディションは低下、産卵で体力を使い切った痩せた個体が河川の沿いをフラフラ泳いでいるのを見かけます。
アフター直後はベイトフィッシュを追い回せないのか、ボトムに執着する個体が多いと感じます。
主にドウマンガニ等の甲殻類を捕食するパターン。魚の目線より上にルアーを通してもほとんど反応することはなく、リフト&フォールやボトムでのネチネチが効果的になります。

ラバージグやフェザージグ等のボトムでフレアするルアーには特に反応が良くチニングの外道で釣れることも多々あります。リップ付きビッグベイトでボトムのデッドスローも有効ではないでしょうか。
このようなアプローチが甲殻類に見えているかは不明ですが、ボトムやストラクチャーを利用してバイトを取るというのはアカメ釣りの基本になります。
サイトでもブラインドでもルアーに追尾させたあとストラクチャーに追い込ませる形になるトレースコースを常に意識してキャストしています。
昼間の干潮時にしっかり地形を確認してルアーの通るコースをイメージしておきましょう!

浦戸では2kgを超える個体も見られます。
秋のアカメ

9月はアフター回復中で積極的に餌を探し回っている個体が多い季節。
基本的にアカメはルアーサイズが大きい方が反応を得られやすい魚ですが、この時期はベイトに合わせてスモールプラグを使うこともあります
台風によって濁りが入り水温の低下とコノシロの回遊などが合わさって、秋はルアーで反応を取れる最もイージーなシーズンではないでしょうか。

雨で河川に白濁りが入るとシーバスやヒラが昇ってきて明暗に群がっていますが、一段下のレンジにはアカメがベイトを待ち構えています。
強アクションでシーバスや小魚を散らせると下から突き上げてくる刺激的なバイトがあるのもこのタイミングです。
季節の進行とともにトップウォーターに出にくくなりますが、水面からレンジを僅かに入れるだけでも反応は大きく変わります。魚の目線よりも上を通すことを意識しましょう。
サイズ、ウエイト共に伸びにくいですが、反応が良く明確に狙って獲れるゲーム性の高いシーズンです。

晩秋になるとアフター回復で外洋に出ていく個体も増え個体数の減少を感じ始めます。
他の河川は落ち鮎で時折大フィーバーが起きますが、浦戸では落ち鮎の恩恵をあまり感じられずコノシロの方が影響を及ぼします。
11月になると小規模ポイントから魚が抜け始め、河川や湾のメインチャンネル付近を狙うことが多くなります。

冬のアカメ
12月に入るとコンディションの良い個体は外洋に戻り、居残り組(居付き個体)はシーバスに混って河川の橋脚やストラクチャーに付く個体が見られます。
そういった魚は反応が良いものの、寒さで動きが鈍くなるためルアーを追いにくくストライクの範囲が狭いです。
他のシーズンよりもルアーのトレースコースやレンジなど精度の高いアプローチを求められ、ストラクチャーをタイトに何度も通し直すことで反応させるようなテクニカルなシーズンになります。

アカメが付く場所が限られてくるのでアプローチ次第では高確率でバイトに持ち込める時期ではないでしょうか。
岸から届かないようなディープに留まる個体も多くいますが、河川のストラクチャーに付いていたり温かい日には湾内のシャローフラットを回遊している個体も見かけることがあります。
南国高知といっても極寒期には雪が吹き荒れる日も。
タイリクスズキを狙いたくなるような状況ですが、強い低気圧がもたらす恩恵でアカメからの反応を得られやすいタイミングとも言えるでしょう。
吹雪の中、河川のストラクチャー絡みで上流から流れてくるボラにボイルするような光景を見ることもあります。

外洋では海水系のベイトを追い回すパターンも存在し、コンディションの良いアカメを狙うことができます。
低水温だから低活性というわけではありません。
アカメの釣りはベイトに依存することが多く、タイミング毎のベイトパターンを見極めることが釣果を伸ばす近道です。

あとがき
浦戸の四季のアカメ釣りを簡単に紹介しましたが、実際はもっとマイナーなパターンや興味深いアカメの行動も多くあります。
アカメゲームは自力で開拓する楽しさが残された釣りだと感じます。現場での発見を大切にしてください。

浦戸湾はアカメ以外にもシーバスやヒラスズキ、ロックフィッシュだったり様々な記録クラスの魚が棲む貴重なフィールドです。
これから先もこの素晴らしい環境を大切にしていきたいですね!
基本的なマナーは勿論のことですが、近年駐車問題が目立っています。
浦戸湾は街中なので駐車できる場所が非常に少なく駐禁箇所も多くあります。
釣り場で地元民とのトラブルに発展した話もよく耳にするのでお気をつけ下さい。

ここ数年は遠征時間と交通費を琵琶湖に注いでいるのであまり四国に行かなくなったけれど、また来年から通い込もうかな。


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